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オーストラリアのヒクイドリは、昔はかなりの数がいたそうです。
先住民のアボリジニーの人たちと共生するような感じで、人もヒクイドリもハッピーな関係だったようです。
状況が一変したのは、ヨーロッパから多くの人たちが移住してきてからなのです。
住みかの減少
移民たちは林業や農業などのために、ヒクイドリが住む熱帯雨林をどんどん伐採してしまったんです。
その結果、ヒクイドリの住む熱帯雨林が減ってしまいました。
←孤立してしまった熱帯雨林(黄緑色の部分は、牧草地や農地)
道路死
オーストラリアの人口が増え、自動車が普及するにつれて、道路で死んでしまうヒクイドリが急増しました。
つまり、車にひかれるヒクイドリが増えてしまったんです。
これは人口増加と自動車の普及だけでなく、「住みかの減少」とも連動しているのでタチが悪い。
昔は広大な熱帯雨林が残っていたので、道路の数も少ないし、熱帯雨林の中だけで暮らせました。
でも、発展するにつれて、分断化されて面積が狭い熱帯雨林が増えてしまいました。
その結果、移動能力が高いヒクイドリは、となりの熱帯雨林へエサを求めて移動するときに、道路を横断してひかれることも多くなってしまいました。
特に有名なのが、バリーン湖にいた「ヘンリー」という名前のヒクイドリです(こちらで説明します)。
それ以外の理由は?
他には、野生のブタやディンゴと呼ばれる野性の犬に殺されることもあって、ドンドン数を減らしました。
実は、ヒクイドリ(カソワリー)はオーストラリア以外の国ではパプアニューギニアにも住んでいます。
パプアニューギニアに住んでいるヒクイドリを「ノーザンカソワリー」、オーストラリアに生息するヒクイドリを「サザンカソワリー」といいます。
このうち、絶滅危惧種に指定され、保護の対象となっているのは、オーストラリアに住む「サザンヒクイドリ」。
逆に、「ノーザンヒクイドリ」は、実際は危急種なのかもしれませんが、ペットとして飼われている話も聞いたことがあります。
パプアニューギニアのヒクイドリはオーストラリアのヒクイドリよりも状況は良さそうですね。
ヒクイドリはもちろん鳥類なのでメスはタマゴを生み、そのタマゴからヒナが生まれます。
では、子育てはオスとメスのどちらがするんでしょう?
実は、オスのヒクイドリが子育てをしています。
ヒナの体は全体が暗い茶色。成長するにつれてトサカができてきます。
アサートン高原のバリーン湖という湖の周りに熱帯雨林が残っていて、そこには、昔は多くのヒクイドリが住んでいました。
でも、住みかとしての面積が十分でなく、また幹線道路に面していたことなどの理由から、ヒクイドリの数はドンドン減っていき、1匹まで減ってしまいました。
その最後の1匹は、ヘンリーと名づけられたヒクイドリ。
ヘンリーは健気に残された熱帯雨林で暮らしてきましたが、ついに道路で車にひかれて死んでしまったんです。
その後、バリーン湖は、近くの熱帯雨林と緑の回廊でつながれました。
いつの日か、ヒクイドリが楽しそうに、安心して暮らせるようになるのを期待するばかりです。