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ヒクイドリ(オーストラリアでは「カソワリー」として有名)ですが、どんな鳥かご存知ですか?
ヒクイドリ(カソワリー)は世界で3番目に大きな飛べない鳥。
体の高さは1.5~2mまで成長します(さすが、世界3位!)。
しかも、大きいだけではなくて、恐竜時代を少し思い起こさせるユニークな鳥です。
写真を見ると一目でわかりますが、ヒクイドリの特徴は、体は黒い毛でおおわれていて、首まわりは青がメインですが、赤い部分もあり、キレイなコントラストになっています。
頭にはトサカがあり、目も特徴的。
さらに、足も太く、ツメも鋭く大きいことから、ギネスブックにも登録されています。
世界で1番危険な鳥として!!
ただ、実際のヒクイドリはそんなに危険ではなくて、人を見ると逃げていきます。
もちろん、幼鳥(子どものヒクイドリ)を連れているヒクイドリに会った場合は攻撃される可能性もあるので注意が必要です。
ちなみに、世界で1番大きな鳥はダチョウ、2番目に大きな鳥はエミューです。
ダチョウやエミューが乾燥した大地を好むのと対照的に、ヒクイドリは熱帯雨林に住んでいます。
特に、オーストラリアの熱帯雨林は、ヒクイドリ(サザンカソワリー)の住みかとして重要です。
この熱帯雨林は、ユネスコの世界遺産(自然遺産)に登録されていて、1億年以上の歴史がある世界最古の熱帯雨林の1つと言われています。
面積は約90万ヘクタールあって、オーストラリアの面積の約0.1%しかありません。
しかし、その0.1%の面積に、多くの生き物が暮らしています。
この地域の熱帯雨林を管理する組織によると、オーストラリアに住む鳥類の50%、哺乳類の36%が住んでいるそうです。まさに生物の宝庫といえます。
数多くの動物や植物が熱帯雨林を住みかとしていますが、特に、重要な役割を果たしている動物の1種が、このヒクイドリ。
さて、質問です。
ヒクイドリはどういった役割を果たしているんでしょうか?
ちょっと考えてみてください~。
ヒントは「ヒクイドリは果実や木の実を食べる鳥」。
←熱帯雨林の中で見つけた果実
答えは、森を豊かにするのに役立っているのです。
ある研究によると、ヒクイドリは100種以上の植物の果実や木の実などを食べているそうです。
で、ヒクイドリが移動した先でフンをすることで、そこから新しい木が生えてきます。
そうやって、いろんな場所で生えることによって豊かな熱帯雨林が形成されてきました。
もちろん、植物は自分で種を飛ばすこともありますが、こういうように、動物に運んでもらうことも多いそうです。
動物と植物のちょっといい関係ですね。
ヒクイドリは熱帯雨林を維持するために重要な役割を果たしていると書きました。
でも、ヒクイドリは現在、かなり数が減っています。
ヒクイドリは全部で3種類いるのですが、その3種類ともIUCN(世界自然保護連合)のレッドリストに登録されてしまっています。
特に、オーストラリアに住むヒクイドリ(サザンカソワリー)は、オーストラリア国内で絶滅危惧種に指定され、保護の対象となっています。
それもそのはずで、1999年後半には、オーストラリア北東部の熱帯雨林に住むヒクイドリは900羽まで減ってしまいました(パンダよりも少ない状況!)。
この地域の熱帯雨林は縦長で、しかも、ところどころが途切れているため、ヒクイドリの移動も簡単ではありません。そのため、地域ごとに隔離されているような状況です。
たとえば、ミッションビーチと呼ばれる周辺にも熱帯雨林が残っているのですが、大人のヒクイドリは40羽ほどしか生き残っていないとも言われています。